「―――僕はもう行くから。 過去を思い出すのは、気分が優れないからね」


短いため息を一つ零し、王子はその場を後にした。


「・・・・僕らの忌わしい思い出は、一体いつになれば 消えてくれるのだろうか」


そうすれば 二人ともが、彼女のことを気に入るなんて なかったのに。



ウィズは唇を噛み締め、そして彼もまた お城を後にした。