「中へ入ろうか」

そう言って、彼女の手を握りベッドへと行く。


……本当は、押し倒したいくらいなんだけどね。


シンデレラを見つめれば、彼女はたくさん泣いたせいと、安心したせいもあり、眠たそうに目を擦っている。

そんな彼女の様子に、王子は微笑んだ。


「おやすみ、シンデレラ」


「おやすみなさい、クロード、さ…ま…」

語尾が小さくなるとともに、彼女は夢の中へと落ちる。
そんな彼女の額に眠りのキスをして、クロードもまた目を閉じた。



【―新たなる舞踏会 fin.】