「王子さま」 次々と聞こえてくる 彼女達の言葉。 誰もが 甘い口調で、王子様を呼んでいた。 二段 三段と、彼は階段を降りて行き、 そしてそのまま 人々の間を通り過ぎて行く。 ほとんどの女性が うっとりとした瞳になっていた。 楽しげな音を奏でる、彼等でさえ 思わず手の動きを止め、王子の行動を見つめている。 「・・・・っ」 そして少女は、また息を呑む。