シンデレラはバルコニーから、茜色の空が紫紺に染まっていくのを、ただ眺めていた。 冷たい風が体温を奪っていこうと、奪われていることにすら、彼女は気付かない。 あぁ、また、愛しい人が去ってしまう。 母様も父様もあたしの前から去ってしまって、今度は、クロード様が去ってしまう。 また、一人になる。 「………っ」 紫紺の空が、滲んだ。 堪え切れない想いが、一粒零れ落ちる。 「……離れたく、ない」 そう願っても、もう無駄なのに。