ようやく結ばれた王子様とお姫様。

しかし数ヵ月後、波乱の幕はあけるのです。


【 *新たなる舞踏会 】



ふかふかとするその豪勢なベッドの中に、二人は向かい合うように横になっていた。


「クロード様、何かあったんですか?」

いつものように、愛しい彼へ、今日あった他愛もない出来事を話していた。

いつもは微笑みながら、彼女――シンデレラの話を聞いている彼だったが、今日は違う。


「………」

王子――クロードは何か思いつめている様子だ。
愛しいシンデレラの呼び掛けすら、彼の耳に入っていない。


「…クロード様?」

心配そうに、彼女はまた呼び掛けた。
するとクロードはハッと我に返る。

「あぁ、ごめんよ。聞いていなかった」

「…何かあったんですか?」


不安そうに、シンデレラは首を傾げる。

「いや、何もないよ」

彼女の不安を取り除くかのように、クロードは頬笑み、優しく彼女の頭を撫でる。

愛しい、彼の温もり。
それはいつもと変わらなかったけれど、やはり王子自身、どこか変だった。