「良かったわね」


王妃が二人の前までやって来て、優しく微笑む。


「ありがとうございます、王妃さま」


心から嬉しそうに、シンデレラはそう言った。


「クロード、彼女を大切にしなさいね」


「はい。 …父上を説得してくれて、ありがとうございます、母上」


彼から言われた初めての感謝の言葉に、王妃は思わず涙線が緩みそうになった。


「また、お話しましょうね、シンデレラ」

「はい、是非とも」


そう言って、王子とシンデレラも、その部屋を後にした。