「父上の所へ、行こうと思ってるんだ」

やはり彼女は手放せない、と言うために。


「あたしも行きます」

その言葉に、クロードはしばし悩んだが、彼女の行くという決意に、しぶしぶ彼は承諾した。


「何を言われても、気にしてはいけないよ」

「はい」

ふわりと微笑む彼女に、またキスをしたくなる衝動に駆られるが、クロードは何とかそれを抑え込んだ。


「先が思いやられるな……」

「? 何か言いました?」


「いや、別に。 …その顔、他の者に見せては駄目だからね」


あぁ、どうやら僕は彼女の事に関しては、独占欲が強いらしい。


クロードのそんな言葉に、彼女はきょとんとした。