「父上は、きっと君に何かをする。 それに、母上だって、君を傷付ける事を言う」


その言葉に、シンデレラは首を横に振った。

「王妃さまは、あたしの事を応援してくれてます」

するとクロードは、驚いた顔をする。


「けれど先ほど、涙を流していただろう」

「それは、王妃さまから王子さまの幼い時の事を聞いたのを思い出して、悲しくなって……」


( あの子には、寂しい思いをさせてしまった )


悲しい顔をして話していた王妃の姿が、脳裏に浮かぶ。


「“王子の傍に、ずっと居てあげてね”って、王妃さまはあたしに言いました」


( 愛を知らないあの子に、どうか愛を教えてあげて )


「母上が、そんな事を………」


あの人も、僕の敵だと思っていたのに。