「ったく、お前は世話の焼ける奴だよ」 ふっ、と魔法使いは微笑んだ。 「分かったのなら、お行き」 「ありがとう、ウィズ」 クロードは振り向き、愛しい彼女のもとへ行くために、走り去っていく。 「願わくば、王子と姫に幸あらんことを」 ポツリとそう呟いて、闇の中に、黒猫は姿を消した。