「シンデレラの傍に居る事が出来るのは、お前だけだ、クロード」


本当は僕だって、彼女の傍に居たい。
けれど、僕じゃ駄目なんだ。

シンデレラが愛しているのは、僕ではなく、君なのだから。


「僕のもとへ来たって、彼女は幸せにはならない」

「けれど―――」

「分かっているだろう、クロード。 シンデレラはお前を選んだんだ。彼女が一番傍に居てほしいと思っているのは、お前だ」


「……っ」


「僕じゃ……お前の代わりになんてなれないんだよ」


ウィズの声は、とても切なかった。


「ごめんよ、ウィズ。 ……僕が、馬鹿だった」


( シンデレラを守るのは、お前の役目だ )


彼の言うとおりだ。
僕が、彼女を守らなければいけないのに。
なのに僕は、それをウィズに任せて 逃げようとしていた。