「ガイル、シンデレラの父を迎えにいくぞ」

先ほどまで彼女に見せていたクロードの優しい姿は何処へやら、今では身を引き締めてガイルの少し先を歩いている。


「そのままMrs.アルフィディルの元へ行きますか?」


「あぁ、そうするつもりだよ。 一刻でも早く、彼女とあの貴族達との縁を切りたいからね」


あともう少しで、シンデレラは“奴隷”から、あの穢れし貴族達から解放される。
そうすれば、彼女は本当の意味で、鳥籠の中から出ることが出来るんだ。
喜ぶ彼女の表情(かお)を見るために、少しでもはやく 彼女を救いたい。


「何処へいくんだ、王子」


久しく聞いたその低い声に、ドクン とクロードの心臓が跳ねる。

後ろを振り向いて目に入ったのは、彼と同じ、アイアンブルーの瞳を持つ一人の男。


「……父上」


クロードは無意識に、少し眉を寄せていた。