「僕のことなんて、気にしないでおくれ」


「―――・・・・ウィズ」


その黒猫を、クロードは抱き締めて、


「ごめんよ」


震えた声で そう言った。



あぁ、許しておくれ 魔法使い。

本当は 君が救われるはずたったのに。


( 僕はもう、人々の前に姿を出さない )


きっと 僕以上に、欲塗れな者達のせいで 心を傷付かせているのに。

―――本当は、彼女を諦める事が 悲しいはずなのに、


「謝らないでおくれよ。 ―――――本当に、良かった。 二人の想いが結ばれて」


ウィズは嬉しそうに 笑った。