「迷惑かけて、・・・ごめんなさい」


その言葉に、胸が締め付けられるほど、心が切なくなる。


何も迷惑ではないというのに。
謝る理由も、何処にもないというのに。

許されるのならば、ずっとこうして 彼女に触れていたい。


「・・・あたしの事は、気になさらないでください」


「何故、そんな事を言うんだい」


熱のせいによってなのか、はたまた 悲しい想いが彼女の心を覆っているせいなのか、


「王子様が・・・・奴隷の事を心配するなんて、駄目です。 身分が、違い過ぎますから」


涙を流し、けれど真っ直ぐと その潤った瞳で、彼を見つめる。


「シンデレラ・・・・」


あぁ、やはり、信じてはもらえない。
こんなにも、君が愛しいというのに。


「いつもみたいに、他の女の人の所へ、どうぞ行ってください」


その言葉に、

「・・・・・いつもみたいに?」


彼はまったく理解が出来ず、首を傾けたまま固まってしまった。