「・・・・・・」 思わず 彼女は言葉を失う。 灰で汚れた服は 綺麗なドレスに変わり、 二つに結んでいた髪は解かされ 風に靡いている。 「うん、君によく似合ってる」 満足そうな彼は、シンデレラの髪に触れる。 「特にハニーブラウンの髪が、とても引き立っているよ」 「あなたは、一体・・・・」 彼女がようやく出せた言葉は、ただそれだけだった。 「僕は ただの魔法使いさ」 一度は魔法を使う事さえ、封を閉じてしまったけれど、全ては、穢れを知らない、君のために。