「濡れたままなんて、体が冷えるじゃないか」


そっ と、彼の手がシンデレラの頬に触れた その刹那、彼女の体は ビクリと震えた。


「どうして 服を着たまま、ずぶ濡れなんかに・・・・」


「・・・・お姉様に触れられた所を、早く洗い流したくて」


ハニーブラウンの髪先からは 止めどなく、水が滴っており、 彼女の体は 冷たかった。


そんな小さな彼女を、彼は抱き締める。
シンデレラは、震えていた。


それは寒さからではなく、恐ろしさ故に。


「あの二人は、もう此処には居ない」


その言葉を言われようと 彼女の心は、落ち着かなかった。