その青年は、漆黒の空に重なる黒髪に、冴える紅い瞳を持った者。 それはまるで、 「黒猫、さん?」 いつも傍にすり寄ってくれた 紅い瞳の黒猫のよう。 「あぁ、やっぱり君なら、分かってくれると思ったよ」 彼は、優しく微笑んだ。 「シンデレラ、僕が 舞踏会へ連れて行ってあげる」 「それはどういう――――」 「・・・・・僕が 君を救ってみせるよ」 そして彼は、フィンガースナップをする。