「僕は、あの無垢な少女に 惹かれたんだ。 欲溺れていない、彼女の心に ね」


その言葉を聞くと、アリシャスは腰が抜けたかのように ヘナヘナと床へ座り込む。


「私・・・・王子様に選んでもらうために、・・・・・着飾っていたのに」


「 そうだったのかい。 けれどそれは、無駄に過ぎないだよ。 いくら表を良くしたところで、僕が君を選ぶことは、決してないのだから」



冷たく言い放つと、彼女は一気に 泣き崩れた。
そんなアリシャスの腕を衛兵の一人が掴み、無理やり立たせる。



「僕はシンデレラの事が心配なんでね。 もう行かせてもらうよ」



最後にその言葉を残し、 彼は部屋を後にした。