* 少女はいつもの丘から、一人お城を眺めていた。 ライトアップされているお城は 立派で、堂々としている。 「もう、舞踏会は始まってるのね」 これは 何度目の舞踏会なのだろうか。 開かれる度に、きっと多くの招かれた女性は 胸に期待を乗せて行く。 綺麗な人ばかりのはずなのに、どうして王子様は、選ばないのだろう。 「こんばんは、シンデレラ」 その声は、聞きなれないもの。