「おい!鈴音」 部屋をノックする音と同時に、私の名前を呼ぶ低い声が聞こえた。 慌てて部屋のドアを開ける。 「…何?お兄ちゃん」 ドアを開けると、眉間にシワを寄せた兄が立っていた。 「何?じゃないだろ。お前…これ、どうした?」 目の前に出されたのは、期末テストの結果表。 「どうして…」 「ゴミ箱に捨ててあった。で、母さん達には見せたのか?」 ドキ 「う…うん」 斜め上の天井を見ながら答えた。