花火の余韻に浸っていると、その場の空気を掻き消す様なけたたましいサイレンを鳴しながら、救急車が走りさって行った。 「交通事故でもあったかな?」 おばあちゃんはそう言うと、人込みではぐれない様に握ってたぼくの手を、ギュッと握り直した。 その時、僕は胸の奥で暖くなるのを感じた。 おばあちゃんと僕は家路を急いだ。