春休みはとりあえず講習を入れた。

翔くんも仕事が
忙しいし
雪解けの時期はまだ
中途半端な季節だった。


 楽しい冬だったな~

クリスマスには
ネックレスをもらった。


私はまだ行ったことのない
翔くんの部屋においてもらおうと
二人の名前をいれた
クッションを二つ作った。



年越しは実家に戻った
翔くんとずっとメールをして



初詣は隣の街の神社に
一緒にお参りに行った。



先週の週末は今シーズン最後の
スノボに旭川まで出かけて


翔先生の指導を受け
私もいっぱしに
スノボを乗りこなせるようになった。



大雪の山々を見ながら
「雪がなくなったら登ってくるよ。」

と言った。


「未来はどうする?」



「山登りはやだ~」



「だよな~どっちにしても
初心者連れて行く山じゃないし~
留守番しとけ~」



そう言うと私の額を
小突いた。


「山登りって辛いでしょ?」



「その辛さがいいんだって~
あの頂上に登った時のあの感動は
言い表せないんだ。」



翔くんの目が遠くを見ていた。