車のトランクに
スーツケースを詰め込んだ。


「それじゃ行ってきます。」

はぁくんは私たち家族に
挨拶をした。

「行ってらっしゃい~」
母が言った。

「未来 ちゃんと勉強するんだぞ
お菓子ばっか食べてたらダメだぞ。
一年後の未来を
楽しみにしてるからな。」

はぁくんの目と私の目
しっかりと視線がからまった。


「まかせておいて~
一年後ぶっ飛ぶくらい
頑張ってるからね~」


私はあるだけの元気と笑顔で
はぁくんの前で
必死に笑う。



「肇…行くよ。」

はぁくんママの言葉に

「うん・・・」と言って車に乗り込んだ。



「行ってきます」


はぁくんは私を振り返った。



「しっかり勉強するんだよ~~」

私は必死におどけて
手を振った。


「おまえもな~」

はぁくんも笑った。


見えなくなるまで私は
手を振り続ける。


一年後の再会を夢見て
私も頑張らなきゃ……
そう誓った。