旅立ちの日


私は玄関先だけの
見送りにした。


空港になんか行ったら
絶対大泣きしてしまうから
朝早く
二人の遊び場で
抱きしめ合った。


「いってくるよ。」


「うん。未来今日は泣かないで
送り出すからね。
メール毎日してね。」


「もちろんだよ。
ありがと未来……
未来との将来のために俺
頑張ってくるからな。」



「はい」


「未来もちゃんと勉強しろよ。
俺がいなくても宿題忘れるなよ。
それから…
それから俺だけの未来でいろよ。」


はぁくんの目から涙がこぼれた。


私はその涙を
キスで受け止める。


「未来は待ってるから
安心して勉強してきてね。
はぁくんの涙が未来と一緒に
いてくれるから……
大丈夫だよ……」


「毎日が一年分のキス
ここ最近で俺らもう五年分くらい
キスしたね。」


「一年くらい
あっという間だよね・・・・
いってらっしゃい。」


あっという間でありますように