「りっちゃんは?」 「え」 「好きな人、いないの?」 みるみるうちに頬を真っ赤に染めていったりっちゃんが、急に黙りこんだ。 ずるいなー。 自分のこととなると、途端にウブで奥手なりっちゃんに戻っちゃうんだから…… 「学校の中にいるの? 同じクラスとか?」 「ううん」 「じゃあ、他校の人?」 「違うけど……」 と視線をキョロキョロとさせたりっちゃんが 「あ」 と言って、ポカンと口を開けたまま固まった。