「どお? 描かせてくれない?」


どうしてだろ?

さっき掴まれた手首も顔も、それから胸までも火照るように熱くて。心が、心の中が……

掻き回されて、乱されて、そして散らかっていくように感じた。


「食べ終わったんなら……あたし、帰るからっ」


これ以上、この空気の中で息をしていることが耐えられなくて、あたしは立ちあがった。

そして、外に通じる扉の前に立った時、あたしの背中に向かって隼太が言ったの。


「俺、諦めないから。由那のこと」

って。