部屋に戻り、さっきの夢を思いだしていた。 あれは、川崎の伯母さんの家にいた頃のことだ。 あたしの生まれてからの記憶は、あの家から始まる。 あたしは、伯母さんの旦那とその子供にも嫌われていた。 沙織さんの姉である伯母さんにだって、とても好かれていたとは言えないけど。 今ならよくわかる。 家族でもないあたしが一緒に生活していること、もっと言えば、この存在その物が嫌がられていたんだって、当時は幼くて理解できずにいたけれど。