でも、すぐには答えない彼。
このタイミングでの沈黙は、悪い予感しかさせなかった。
……どういうこと? 沙織さんが、あの沙織さんが……
一緒に暮らしてた時だって、そんな病院へ通ってるだなんて知らなかった。
一言もそんな話、されなかったし……というより、あたし達って、その他の会話もあまりなかったよね。
お互いに話そうとしなかった。親子なのに……。
「続けても、いいかな?」
遠慮がちに尋ねられた。
「え。
……あ、はい」
そして彼は躊躇いがちにゆっくりと口を開き、一拍置いてから意を決したようにあたしの目を見た。



