部屋の前へ立ち、襖を開ける。

さっきと同じ姿勢のままのサキさん。その枕もとに座って覗きこんだ。

その顔はちょっと微笑んでいるような、とっても穏やかな寝顔。とても意識を失っているようになんて見えない。 

あたしは、ほっと胸を撫で下ろした。

それにしても、よく眠っているなぁ……でも、そろそろ起こしてもいい時間かな?


「サキさん?」


肩に手を置いて、軽く揺すった。

力を入れたという程ではない。本当にほんの軽く、揺さぶっただけなのに。

それなのに……


枕の端にあったサキさんの頭が

布団の上に

コトリと、落ちた。