でも、案外あっさりと蒼太君がその空気を壊した。
「なーんてね。ごめん。由那ちゃんを困らせたくて言ったわけじゃないんだ。
答えがNOなのはわかってる。でも、胸に詰まっている物を吐き出さないと、俺も前に進めなさそうだから」
「蒼太君……」
「よっしゃ! もう大丈夫。
それから、明日は見送りに来ないでよ」
蒼太君らしい爽やかな笑顔で、そう言われた。
あたしは『どうして?』と言いかけて、止めた。
彼には彼の決めた想いがきっとある。そう感じたから。
「由那ちゃん、色々ありがとう。会えてよかったよ」
「あたしの方こそ……元気でね」
本当は、あたしが言わなきゃいけない台詞。
『ありがとう』って言葉は、いっぱい いっぱい……蒼太君には、言うだけじゃ足りないくらい助けてもらったから。



