真っ赤な頬に、そっと指で触れてみる。

冷たくて、でも柔らかい……。

くすぐったいみたいなこんな気持ち、どうしたらいいんだろう。


「…由那」


肩を抱かれていた腕に力が込められ、一気に引き寄せられた。

勢いよく飛び込んだ胸の中。

感じる隼太の匂い、温度、ドキドキの音………どうしたらいい?


「好きだ」


突如、放たれた言葉。


「好きだよ」


もう一度、そっと囁かれる。耳許で優しく――


あたしもだよ隼太、ずっと前からわかっていたの。

苦手だったんじゃない。初めて会った時から気になっていたの。

そうだよ、あたし……素直じゃないから。


「シュウ」

「……ん?」

「好き」


隼太が体を少しだけ離して、あたしの顔を覗きこんできた。

見つめられ、同時に笑みが溢れる。


……暖かい。

風も気温も寒いけど、でも暖かい。

子供みたいな笑顔も嘘のない瞳も、優しい声も、冷たい手さえも暖かい。


二人、自然とまた寄り添って、あたしは必然的に目を閉じた。

そして、そのまま唇を重ねた。