えっ 誰!? っていうか何? 俯いたままドキドキしていると、予想を覆すやわらかな声が上から降りてきた。 「もしかして困ってる?」 ふわっと包みこむような響きに思わず顔を上げ、そして見上げた。 「チケット見せて?」 「え。 ……あっ は、はい」 あたしの手から抜き取ったチケットに目を落とした彼は、すぐに顔を上げて 「なぁんだ。一緒だ」 と、屈託のない笑顔を見せた。