ヘコミ顔になってるあたしを見て、隼太が小さく吹き出した。
「なに?」
「だって、そんな顔するから。
ま、ウマイもん食わせてやるから楽しみにしててよ」
なんて笑顔を向けられても、一度下がったテンションはそう簡単に戻ってくれない。
「どうしたんだよ? なあって」
立ち上がり腰を屈め、あたしの顔をのぞきこむ隼太。
「だってバイクなんて乗ったことないし……突然そんなこと言われても何を着てけばいいのか……」
「じゃあさ俺のジャケット貸したげるから、だからそんな顔すんなって」
ニカっと白い歯をのぞかせた笑顔を向けられ、仕方なくコクリと頷いてみせた。
いつもより遅めの朝食を終えた隼太が玄関に立つ。
「バイク、ジンさんとこの倉庫にあるんだ。それを取りに行ってからだから、昼頃に迎えにくるよ」
「わかった。
ねぇ、それまではまた絵を描きに戻るの?」
尋ねると隼太の唇が僅かに微笑して。
「そんなこと訊いて、今から俺と一緒にいたいってこと?」
楽しげにそう聞いて、首を傾げた。



