隼太は毎朝早くに家へ来て、シャワーを浴び朝ごはんを食べ、そしてすぐに帰っていく。
そして夕方には、あたしがお弁当を持ってアトリエを訪れる。それが近頃の日課になっていた。
絵を描くことに没頭している隼太は、まるで別人のよう。
あたしがたまに何か話かけても、返ってくるのは『うん』『ううん』『そう』って、そんな短い言葉くらい。
以前のように、掴み所のない言動で人を惑わす……なんてこともない。
『絵のモデルになって』そんな言葉も全く口にしなくなった。
だから、やっぱり本気じゃなかったのかなって思うんだ。
それから、あれも。
『兄貴は由那のことが好きだよ。
……わかるよ。俺と好みが似てるから』
何度考えても、そういう意味にしか聞こえないのに。



