「それ、なに?」 歩きながら隼太が尋ねてきた。 「なんのこと?」 「その、手に持ってるやつ」 手に?……あ。 さっき、蒼太君にもらったブレスレットのことだ。 あたしはそれを、握ったままバッグの中へ収めた。 そして 「なんでもない」 って、なんとなく、そう答えた。 「兄貴と一緒に昼メシ食ったの?」 「食べたよ。りっちゃんと三人で」 「いいなぁ~」 「……なにが?」 「俺も、由那と食べたかったなぁ~って思って」