「おうっ いいぞ! 今度は兄貴に手伝わせるからよっ」
とジンさんが言った。
そして気がつくといつの間にか隣に隼太が立っていて、あたしを見降ろしながら言った。
「んじゃ、帰ろっか?」
「え」
思わず顔を見あげたら
「帰んないの?」
って不思議そうに見つめ返されて、なんとなく視線を反らす。
「…帰る、けど…」
呟くように答えてから振り返ると、そこには真顔でこっちを見てる蒼太君がいて。
「おいっ 蒼太、早く運べ!!」
ジンさんの大声に返事をした彼の顔も声も、めずらしく穏やかではなかった。
ダンボール箱を抱えて去って行くその背中を見送ってから、あたしは仕様がなく歩きだした。



