「何ふざけてんだよ。林 瑠偉だよ。」


「だから、その“林 瑠偉”って誰です?」




冗談なのかと思った。

でも総司の目は真剣で。



まるで、“林 瑠偉”なんて最初から存在しなかったみたいで。



「意味、分かんねー…。」


まさかと思いたい。


アイツ……消えたのか?



「土方さん。その林って人。大切な人なんですか?」


総司がそう聞いてきた。




――…大切な人?


あぁ、誰より大切な





「恋人……なんだよ。」



昨日、思いが通じ合ったばかりで、
アイツはまだ消えないと思っていた。