ずっと、その言葉を求めていた。 ただ、貪欲に。 “愛”が欲しかったと言えばそうだし、 違うと言ってもそれもまた事実だった。 愛は無くてもいいから お願い ――…存在は否定しないで。 幼い私は常に思っていた。 『産んでくれて、ありがとう……お母さん。』 もう、届かないその言葉を 真っ白な世界でただ一人。 繰り返し繰り返し 呟いていた。