そのとき、


『!?、母さん、足が……。』


母さんが徐々に消えていっていることに気がついた。



「瑠偉、私が世界にいたという事実を完璧に消すのに、3ヶ月かかるの。
それまでは元の世界に戻れないわ。」


『それは分かった!分かったけど……。』




目の前で消えていく母に
私は何も出来ない。



それでも母は微笑んでいて、
それだけが救いだったのかもしれない。




涙が流れて
視界が霞む。



母さんが霞んでいるのか
涙のせいなのか分からない。





母が消える最後の瞬間




「ねぇ瑠偉。……あなたを産んで良かったわ。」



それを聞いた私はボロボロと
みっともないくらい泣いた。