―――
――――
―――――…



五感の全ての感覚が、無くなっていく。


あぁ、消えるのってこんな感じなんだな。なんて呑気なことを思っていると




―――…瑠偉。



懐かしい声が聞こえた。

と、同時に感覚が戻ってきた。




目を開けると
白い世界にいる一人の人。




『――…お母さん。』


そう、母だった。



夢で会った以来だ。





「瑠偉。久しぶり。」


『うん。久しぶり。』




お母さんのいる世界にいる。

つまり私は



――…消えてしまった。