瑠『とてつもなく不愉快です。あんな人に惚れた私が理解できません。』


沖「………。」



私の言葉を聞いた沖田さんは、嬉しそうに笑う。



瑠『……なんですか。』


沖「ねぇ、瑠偉さん。気づいてますか?今、女の顔ですよ。」




私は驚きで目を見開く。



私は、ずっと男装していて。
女を捨てる覚悟までしていたのに………女の顔になっている。



それは、「あの人」を好きな証拠。


恋い慕っている証拠。






瑠『参りましたね……。私、もうすぐ消えるのに。』


沖「瑠偉さん……。」





この気持ちに気づいても、私は伝えることが出来ない。



消えてしまうから。

記憶にすら残らずに。




そう思うと、悲しかった。