「さて、片岡返ろうぜ。」
「おう、おれら帰宅部は授業が終わったら速攻帰る。まさに帰宅部の模範生だな。」
「が、、今日は新校舎によってこうぜ。」
「あそこの食堂、夕方もやってって、結構帰宅部女子がいるらしいぞ。」
「いや、俺はいい。」
「なんだよ、総司。おまえ、学生生活、帰宅部を何だと思っているのだ!」
「おまえこそ、なにを考えているのだ。」
「いいから、いいから。ほら、俺が今日はコーラおごってやろう」
ほら、ほら!

「新校舎行くのはいいけど、新組とトラブルにならないでよ〜」
「は〜い。委員長!ほら、行くぞ総司。」

プレハブから、
新校舎につながるこの中庭。
まるで、陰と陽。
なにかが、
あきらかに空気が違う。

そして、我々が新校舎に入ると
一瞬だが、異分子が来たと
あちらさんも感じるようだ。

だからといって、
あからさまにさけられる訳でもなく、
ハブ組と新組で友達に
なっている生徒もいる。
なんだかハブ組は、
少し劣等感を持っているのだ。
だから、
自分の学校であるにもかかわらず、
違和感を感じているのだ。

そして、この状況。。

「片岡。。」
「なんだ〜総司♪」
「いや、オマエが喜んでいるところ悪いんだけどさ。。」
「俺たち、やっぱり浮いているよな。」
「なんだよ、オマエ。そんなにハブ組であることに、劣等感があるのか?俺なんかなーんにも感じていないぞ。気にするなよ。」
「いや、違うんだ。。この状況おかしいだろ」

100名以上が入れるであろう、
食堂が放課後カフェ化するのは
結構な事だが、
そもそも在校生の
男子比率が1割の状況。

男性比率が1割以下
という現実。

いま我々は
それを実感している。
なぜなら、あきらかに窓際族である。

カフェは女子高生の
なんともいえない香りがただよい、
アラレも無いガールズトークが
繰り広げられている。

明らかに、男子の我々がいることなど
眼中に無いのだ。
我々の事は、彼女達には
石か木でしかないのだろう。

世の中の、血気盛んな
男子諸君がみたら、
なんとうらやましい世界に
見えるのだろう。

だが、現実は違うのだ。