トイレからは、
中庭と旧校舎が見える。

「それにしても、さっきの先輩らしき方は、、ん?」


「確か、担任に探してこいって、、」


「まさか、あいつが朝倉憂?」

教室にもどると、
さきほどまで空席だった席に
見覚えのある顔の生徒が、
担任になぜ教室にいなかったのかを
クドクドと問いつめられている。

「あの、なので校舎で迷子になったんです。」
「それで、途方に暮れているうちに気分が悪くなって保健室に。。」

「まあ、いいわ」
「たしかに、この学校は新旧入り交じっているから複雑怪奇であることは認めるは。。」
「もう、迷わないでくださいね。」

「はい。すみませんでした。」

「さ、みなさんも席について。これからの学校生活について説明しますよー」

「おまえの保健室というのは、中庭なのか」
「なに、早くもチクるの。優等生狙っている訳?」
「いや、そんなこと狙うような生徒だったら、ハブには呼ばれないだろ」
「あ、そう。」

なんとも、単調で展開のない会話だった。。

こうして、高校生活はスタートを切ったのだった。