太陽の光が照りつけ、病室の窓から見える海の水面が、キラキラと宝石のような輝きを見せる季節になっても……。 日中のまとわりつくようなベタついた空気が、夜になって少し和らぐ季節になっても。 藤澤光には何の変化もなく…… あたしは担当として、その病室で……大半の時を過ごした。 そして、窓の外の大木が葉の色を少しずつ変え始めた頃……。 休みの日に、面会に訪れた光の病室。 初めての面会者が、病室のドアを開けた。