もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】

「こんなのいらない。
もう二度とあたしの前に現れないで」


その瞳の中に交錯するのは……不安と希望。


でもそれを……意志の力で押し込めて。


雨宮麻衣は、大声で叫んでかけだした。


「あたしは、舞の代わりじゃないっ!!!」


そう言って……。


ろくに信号も見ず、飛び出した。


赤信号の……大通りに。