「朔ちゃん……。」


「…何だよ。」


「部屋がピンクです!」


「うるせぇーよ!!」






部屋の照明はピンク、円形のベッドのシーツは毒々しい程の赤。



いかにも、という感じの部屋を見て、梨子は目を丸くしている。






「朔ちゃん!見てください!猫足のバスタブです!」


「はい、はい。」


「朔ちゃん!ベッドが、お姫様ベッドですっ!」


「はい、はい。」


「朔ちゃ〜ん!さすが、お城ですねぇ!」


「…………。」




マジメに城だと思っているらしい梨子。



夢見る乙女に、ラブホだ、とは言えなかった。