妖魔04~聖域~

「行くのね」

外には、魔草青汁の缶を持った冬狐がいる。

能力を使って、盗聴でもしていたか。

「秋野の付き添いか」

「本当、こっちは忙しいんだから、早くしてほしい物だわ」

秋野と長く居る冬狐は影の存在に気付いているのか。

「それより、良いように使われてるようね」

「組織に属している以上は、当たり前の事だ」

従うべき事は従っておく。

待機という命には背いたようだがな。

「当たり前の事というのであれば、私とお前の子作りも当たり前だ!」

「都合のいいところだけ抜粋するな!」

服を肌蹴ながら襲い掛かってくる燕をパワーボムで仕留める。

「冬狐、お前はどうするつもりだ?」

「ここで、研究を続けるだけよ」

「そうか」

相変わらず、研究だけは進めているようだ。

「弱者は青汁でも使って、凌ぎなさい」

冬狐は俺に魔草青汁の缶を投げる。

「俺の心配よりも、自分の研究に成果を出すんだな」

缶を受け取ってポケットに入れると、俺は天国の島に向かって歩き出した。

「葉桜丞、俺はお前の希望を潰す」

必ずだ。




『完』