「どうだいおもしろかっただろう」 「まあまあね」 それからの毎日は、そのかまきりのおかげで楽しいものになった。 かまきりは昼頃になるとひょっこり現れて、庭の手入れを大きな鎌のような腕で手伝いながらおもしろいはなしをきかせてくれた。 私は相槌をうつこともなく、たまにふっと笑うだけだった。 かまきりはそれでも毎日楽しいはなしをきかせてくれた。 私は笑うことを忘れていたというのに、 そのかまきりは私のことをいとも簡単に笑わせてくれるのだ。