薔薇の棘と黒いかまきり【短編】



夜になって、私は苦しくて、頭が痛くて何もはなせなかった。

心配そうに私に声をかけるかまきり。

その声しか聞こえない。



「私死ぬの」

「なにいってるんだい。君はまだ死なないよ」

「ううん。わかるの。私死ぬの」



私が笑いながら言うとかまきりはぶんぶんと首を振った。



「ねえかまきり。私の首を切って」