町中で有名なその屋敷。 それと一緒に有名だったのが 屋敷に住む家族の娘でした。 真っ黒な長い髪の毛にとても綺麗な白い肌。 猫のようなきりっと大きな瞳、長い睫毛。 赤い唇。 それはそれは美しい娘だったのです。 その娘はいつもその屋敷の主、娘にとっての祖父と共に薔薇の手入れをしていました。 いつしかその娘は薔薇の姫と呼ばれるようになったのです。