アイツ、鈴は、俺に影響を与えすぎた。
刺激が強すぎたんだ。


鈴は、小学校に入学するまでに退院出来た。
障害は無かったものの、外傷は残った。
額の右斜め上の縫い傷、首と右目の下頬の傷痕。

「鈴ちゃん、女の子なのに可哀相ね…」

「大人になる頃には、綺麗に治るって先生が言ってらしたから大丈夫ですよ」

母達の会話を聞いてもなお、鈴が女の子である事に5歳の俺はピンっとこなかった。
あの狂暴で、この近辺じゃ悪ガキNo.1のアイツに女の子なんて可愛らしいフレーズは似合わなかった。